他のパートとのハーモニー、音の絡み合いが美しいのがゴスペルの魅力でもあります。最近のゴスペルはおしゃれなアレンジをされているものが多く、その分ハーモニーも複雑なものが少なくありません。この複雑さがまたかっこよさを生み出しますよね。

ただ、たいがいがメインのメロディーパートであるソプラノ以外の、アルトパートやテナーパート、このパートを歌うのはけっこう大変です。大変なだけに、自分のパートばかりに集中して他のパートとの兼ね合いを無視して歌っていると、いくら音程的に合っていても全体的にサウンドしない、という事になりかねません。

今回は、各パートがまとまって一つのサウンドを作っていくためにどうしたらいいか、という事を考えていきたいと思います。

 

他のパートとの音としての絡み合い

一番は、自分のパートの音程を覚えるのが先決です。迷わずに歌えるようにまず覚えてしまいましょう。

そして次にすることは、他のパートとの兼ね合いがどうなっているのかを確認することです。まずはメインのメロディーであるソプラノパートと合わせて歌ってみます。特に難しいハーモニーの所はしっかりメロディーの音を聞きながら歌うようにしましょう。

そうしてソプラノとアルト、ソプラノとテナー、と、二声ずつで確認してみてください。さらに時間に余裕があれば、アルトとテナーだけを合わせてもいいですね。ハーモニー部分だけではどのようになるかを確認すると、メインのメロディーが重なった時にもっと安定して歌えるようになるでしょう。

 

曲のパーツごとに合わせていく

焦らず、この作業をAメロ、Bメロ、サビと、ひとつずつ区切って確認していきましょう。この作業をすることで、他のパートの音をお互いに確認する良い機会になります。

一つ一つ確認したら、1曲分をつなげて歌ってみましょう。1曲を通して歌うことで見えてくる部分もたくさんあります。前回の記事でも紹介したように、強弱をつけるところ、言葉をはっきり出したいところ、歌い出しが揃えにくいところ、そういったところを気づいたらどんどんその部分を取り出して練習していきます。そのように、1つずつ積み重ねて一つの曲を作っていくようにしてみてください。

ここで心がけていただきたいのが、一つのパートだけが突出しない、ということです。人数によってもばらつきが出てしまうことは仕方がないですが、最低限、互いのパートの声が聴こえるような状態で歌えるよう心がけましょう。

またパートごとにまず一つの声を作っていくことも大事です。パートの中で自分の声が変に突出しない、ということを心がけて下さい。まわりに教えようとして、わからない人に聞こえるように、という配慮で大きな声で歌う、という事もあるかもしれませんが(これはとても良い心がけですよ!)、それでもまわりの声とブレンドさせる事は可能です。

自分の声が、まわりの同じパートの仲間の声としっかり混ざっている声を心がけるということです。声が混ざりやすく、というのと、声を小さくする、ということはイコールではありません。

例えば、私がクワイヤの中に混じって歌う時、私はかなりの声量を出して歌います、それはそのパートの声の雰囲気、私のイメージしているパートの音をみんなに聞いてほしいからです。でも、自分の声だけが突き抜けてしまうような歌い方はしないですね、反対にパートのみんなを大きく包むようになイメージで歌っています。しかしこれって、ソロで歌う時よりも、もっとエネルギーを使うんですどね。。(汗)

 

自分の声をまわりと混ざりやすくするために

自分の声ばかりが目立ってしまうような雰囲気が感じられた場合、どうすればいいのかというと、声に少し息を混ぜて歌うんです。はひふへほの発音がわかりやすいですね。息が少し混じった発音です。歌い出しの時にすこし息を混ぜてみる、あ、という発音だったら、は、に近い音にしてみる、などしてみてください。

これは、息を吐く、という意味ではありませんよ、そうするとすぐに息が足りなくなって歌えなくなってしまいますからね。あくまでも発音のちょっとした工夫でこうすることができる、という事を覚えておいて下さい。