クワイヤの活動を続けていく際に、やっぱり必要だな〜と思うのがパートリーダーの存在です。不定期に年に1〜2回、というのなら必要ないかもしれませんが、ある程度定期的に活動を続けているクワイヤには、必要かな、と思います。

もし可能であれば、パートリーダーを誰か各パートに一人、ないしは2人立てるといいと思います。誰かが責任を持って、そのパートのメロディーを率先して覚え、分からない人に教えてあげられるように、という意味でのポジションです。

 

大規模なワークショップではリーダーたちが大活躍

私が昔、アメリカの大きなワークショップに参加した時、それはそれは大きな会場でした。クワイヤのメンバーも全体できっと1000人とかそれ以上の規模のクワイヤだったと思います。その全員が、その場で一斉に曲を習うというシチュエーションです。

そのワークショップ期間の最後にはレコーディングが予定されており、全部で10曲以上ある新曲を、その決められた期間で仕上げなければいけないのです。

その会場にはずらっと椅子が並べられていて、それが各セクションごとに分かれているんですが、そのセクションの間間に通路が設けられていて、人が通れるようになっているわけですね。その通路に何人か立っている人がいて、練習中も立ったまま一緒に歌っているんですよ。

私は最初、なんでこの人達は立ってるのかな〜と思ったんですが、それはそのパートごとに、そのメロディーを知っていて、すでに歌える人たち、パートリーダーたちだったわけですね。彼らが一緒に歌ってくれることによって、私たち会衆が迷わず、早くメロディーを覚えられるようにしてくれてたんです。わからないところも、彼らに聞けばすぐ教えてくれました。

時間が限られている中で、指導者は一人だけ、その一人で1000人ものクワイヤを相手に教えていても、なかなか進まないですが、こうやってパートごとに引っ張ってくれる人がいれば、指導者も安心して曲を進めていける、というわけです。

また指導者側からすると、これは本当にありがたいことなんです。指導者が全てのパートを歌っているわけで、わかりやすく言うと、指導者の歌う量はクワイヤの3倍(ソプラノ、アルト、テナーを全部歌うと)、という事になります。もう必死です。でもパートごとに誰かがリードしてくれて、メロディーを伝えてくれる人がいれば、指導者の負担もかなり楽になります。

 

譜面は、基本的に使いません

これは私だけではなく、たくさんの指導者がそうなのですが、ゴスペルの指導をする際に、クワイヤのメンバーに譜面を渡す、ということはあまりありません。

先ほどお話したアメリカでのワークショップの場合では、期間が決まっていて、この期間に多くの曲を仕上げなければいけない、という条件がありましたので、譜面もしっかり渡されました。

まあ、この譜面があれば、ワークショップが終わっても持って帰って自分の教会で習った曲を歌える、という意味も含まれているので、これは譜面が必要なシチュエーションですね。

 

譜面を使わない理由

私が、人生で一番最初に参加した横田米軍基地でのゴスペルのワークショップでは渡されたのは歌詞カードのみ、譜面はいっさいありませんでした。なので、私もまた指導する際には譜面はなるべく渡さないで、歌詞カードのみ渡すようになりました。

私自身が歌の指導者になってから、さすがにピアノも練習して、譜面も多少読めるようになったものの、未だに譜面で、初見で歌う、というのは苦手です・・というか、できないです。。

しかし、譜面で覚えるより、耳で覚える方のが覚えが早いですし、忘れにくいですね。譜面があると、譜面ばかりに頼ってしまい、それがないと歌えない、という状況に陥りやすいです。また譜面を追っていく、という手間がはぶけるので、その分歌の内容に集中して練習することができます。

また指導する側もそちらのほうがやりやすいんです、譜面があるとそればかり見ていて、指導者をあまり見てくれないですから。。(汗)

 

パートリーダーに挑戦してみよう

ということで、譜面が読めれば読めるに越したことはありませんが、パートリーダーになるのに、譜面を読める必要はありません。自分のメロディーがしっかりと覚えられていて、人にも教えられるぐらいであれば、それで十分なんです。

また、パートリーダーとして人に教える立場になると、その人自身がいろいろな学びになって成長につながると思います。ぜひゴスペルのクワイヤに所属していらっしゃる方は、一度パートリーダーにも挑戦してみて下さい。