前回(2019年春)に主にゴスペルワークショップに参加してくださった方を対象に、歌に関するお悩みについてのアンケートを取らせていただきました。その中でもかなりな数で挙がっていました「チェンジの時の声が不安定になる」という声にお答えして、これから何回かのシリーズで記事をまとめていこうと思います。

チェンジ=地声と裏声のギャップ

ここで言う「チェンジ」とは何かと言うと、いわゆる、地声と裏声がチェンジする音域、ということですね。特に女性がこのチェンジを感じやすいと思います。音でいうと、ラ〜シ〜ドあたりで感じる方が多いです。

だいたいゴスペルなどを歌う場合には、そのサウンドのイメージからパワフルに歌いたい!と、特に地声に力を入れて歌っている方が多いと思いますが、

地声に力をいれれば入れるほど、高音域になり裏声に変わった時の声のギャップが大きく、裏声ですと力を入れられないので、ガタッと音量も下がっちゃうし、うまくこの音域がつながらない、または声が不安定になる(声がヘロヘロになっちゃう)、というお悩みを持っている方が多いと思います。


お風呂場で歌うと気持ちいい訳

そもそも、地声で強く歌おうとすると喉に力が入れますので、負荷がかかってしまい喉も痛くなりやすいですし、音域が高くなればなるほど、その地声をなんとかキープしようとして、さらにどんどん力が入ってしまいます。そうするとどうなるでしょうか・・・

筋肉は力が入るとギュギュっと収縮し、大きくなります。→力こぶ、がそうですよね。喉周りも同様です。首や喉周りに力が入ると、喉周りの筋肉の厚味が大きくなり、声が響きにくい状態になっていくんですね。それはまるでカーペットや絨毯を喉の周りに巻いて声を出そうとしているようなものです。 


ここで想像してほしいのですが、周りの壁がカーペットや絨毯で覆われている場所で声を出すと、声の響きはどうなりますでしょうか?・・・声はカーペットに吸われてしまい、響きにくい状態になるのが想像できると思います。

逆に、お風呂場で歌うのは気持ちいいですよね!なぜでしょう?お風呂場ですと壁がツルツルなので、声がどんどん反響し、響いて増幅されるから、なのです。さらに体もリラックスしてますし、喉も水分でしっかり潤ってますので、さらに声が出やすいわけです。

そんな状態が喉周りでも起こっている、と考えていただけるとわかりやすいと思います。 


いかに力を抜いて声を出すか、がキーです

なので、声を出す、特に歌う姿勢で声を出す際のキーポイントになるのが、いかにして力を抜いて声を出すか、になってきます。 

この話題はちょっと長くなりそうですが、次回でまず地声をいかに力を抜いてパワフルにしていくか、に焦点を絞って解説していきたいと思います。