祈り合う仲間

ゴスペル曲は内容が内容なだけに、必ず拒絶反応を起こす人はいます、私も常にそのことを念頭に置いて指導しています。何を歌っているのか、歌詞の内容をわかりやすく説明し、内容をぼかさず、しっかりと伝えるのも、ゴスペルの指導者の仕事ですし、責任でもあります。

歌詞の内容はどれも、人を励まし、思いやり、愛し、慈しむ、そのような歌詞で溢れているんですね、まるで神様から一人ひとり、励ましをいただくような内容です、それはイエス・キリストが人々にそうであることの現れだと思います。

なので、自然と仲間同士で祈り合う、という事ができるようになります。口先だけではなく心から祈り合います。誰かが苦難の中にある時に、自然と仲間に「祈ってほしい」と言うことができたりするのも、ゴスペルならではの関係ですね。

必ずレッスン(というか、ワークショップという言葉の方がよく使います)の始まる前、終わりには全員で頭を下げ、祈ります。祈りで始まり、祈りで終わる、そんなこともゴスペルならではの事ですね。少なくとも、私が指導を行う場ではそのようにしています。

また、仕事場や他の習い事では得られない、深いつながりを持つことができるのもゴスペルの仲間の特徴だと思います。クリスチャンもいれば、そうでない人もいます、でもみなが心を開いて人を受け入れ、親身になって相手のために祈る、そんな関係はなかなか作れるものではありません。

そもそも、ゴスペルを歌うこと自体が、イコール、ひとりひとりの祈りなのです。自分の誰にも言えない心情を、ゴスペルを歌うことで神様に訴えることもあるかもしれません、誰か家族や友人で、苦難の中にいる人を思いやって、その人のためにゴスペルを歌うこともあるでしょう、それは立派な祈りになります。

そして祈りには力があります、これは科学的にも証明されていることなんですよ。その力が働いて、ゴスペルを歌う中で、それぞれに特別な経験、なぐさめられたり、励まされたり、元気になったり、そういったプラスな体験が人々をさらにゴスペルへ導くんじゃないでしょうか。

 

祈りは力と影響を生む

祈りについて、科学的に調査したチームがあるそうです。具体的なチーム名はわかりませんが、たぶんアメリカのどこかの研究チームでしょう。

ランダムに人を選び、その人たちを2チームに分け、一つのチームには祈ってもらい、もう一つは何もしないで、どのような結果が出るかを調査したのだそうです。ダブルブラインドテストと言われる方法で行われました。

その調査の結果出された答えが、

「パワー&アフェクト」

すなわち、力と影響、だったそうです。

祈りは何かしら力と影響をもたらす事が、科学的に証明されているんですね。これはどんな信仰か、という具体的なベースはありません、ただランダムに選ばれた人が祈ってこのような結果が出たのですね。

なので、祈りは必ず、何かしら力と影響を生むのです。

その祈りを、何かわからない、得体の知れないものを対象にして祈るのか、はたまた自然や太陽、と言ったものを対象にするのか、もしくはそれぞれで信じている宗教の神、または聖書で語られている天地を造られた神を対象にするのか、それは人それぞれの自由です。

実は、何か人ではない、自分以外の何かを対象にして祈る、という事ができる事自体もかなり大きなことで、それが日本人は自然にできるのが、なにげにすごいと思っています。

神の存在を信じない人、無神論者の人もたくさんいるアメリカでは、そういった議論はいつまでもなくなりません、素直に祈れない人も、実はたくさんいるのです。

そういう状況を知っていると余計に、日本でゴスペルが歌い続けられる状況が、本当に頼もしく思えます。

ゴスペルを歌うこと、祈ることで、みんなに元気になってほしい!癒やされてほしい!そう願いながら私もゴスペルの活動を続けています。