1880年代に出来上がった奇跡の階段

この世には現代のテクノロジーを持ってしても、解明できないことがたくさんあります。

そのうちの一つ、ニューメキシコはサンタフェにあるロレト・チャペル(Lorreto Chapel)。こちらにあるらせん状の階段は「奇跡の階段」と呼ばれています。釘は一本も使われておらず、何のサポートもなく立っているそうです。使われている木材もこの世では見つけることのできない木材なんだそう。アメリカ中の建築事務所120箇所に聞いてみましたが、このような階段を再現できる会社は未だ一つもないそうです。

シスターの祈りによって与えられた奇跡の階段

この教会が建てられたのは1800年代、フランスの建築家によって建てられました。しかしクワイヤ・ロフトに登るための階段が完成する前の1878年にこの建築家は亡くなってしまいました。

その後、他の大工にも頼んでみましたが、どの大工の提案もシスターたちは断らざるを得ませんでした。その当時スタンダードサイズであった階段は、このチャペルには大きすぎるし、たとえ幅を狭く作ったとしてもクワイヤとして上らなければいけないシスターたちの服装では登るのが大変になってしまう。

階段が未完成なまま時は過ぎ、その2年後の1880年、シスターたちが集まってイエスに対する執りなしの祈りを求めるために、大工の守護聖人である聖ヨセフに特別な祈り、Novena(9日間続けているの祈り)を捧げ、この階段に関する問題を解決してもらうよう祈り始めました。

その9日目になんと、チャペルをノックする音がして、ロバと工具を持った年配の大工が現れたのです。その人は階段の建築を請け負ってくれました。その大工は他の大工の提案とも違い、チャペルに備え付けの椅子を取り外す必要はない、と言いました。そしてその建築を引き受ける条件として、工事中は誰も立ち入らせず、一人で行う、というものでした。

3ヶ月後に階段は完成しました。完成したと同時にシスターたちはその大工を囲んで祝宴を設け、お礼がしたい、と考えていたのですが、その大工は姿を消してしまいました。。 彼は建築材料も建築費も一切、教会や地域からは受け取りませんでした。シスターたちは大工を探すために街中を当たって、地域の新聞にも広告を載せて探したのですが、誰一人この大工を知る人はいませんでした。

現代の科学でも説明できない奇跡の階段

この階段は360度の螺旋状になっていますが、その階段を支える中心の柱もサポートする梁もありません、ただ地下からのセルフ・サポートのみで立っています。また釘や接着剤、ネジなども一切使われていないのです。ただ唯一、階段のステップを支えるための木材でできたペグが使われているのみです。

さらに360度の螺旋は2回、回転した形になっていますが、階段数は全部でたったの33段、この数字もイエスの生涯の33歳を思い起こさせます。

この階段がどのように作られたのか、なぜ立っていることができるのか、この世のエンジニアで誰も説明できる人はいない、と教会の専門職員は言っています。木材を一つとっても同じ木材を見つけることができない、唯一似たような木がアラスカにあるそうなのですが、その当時にアラスカから木材を持ってくることは不可能なことです。さらに現在の技術、テクノロジーでも、この階段を再現できる大工や職人は未だ誰もいない、とのことです。

出来上がった階段は未だ健在、ミステリーであり続けています。