”私は聖ミカエル、あなたに命ずる”

夜10時45分、ロビーがとても落ち着いた状態で、トランス状態に入りました。

その場にいた司祭たちは、その少年から発せられる、全く違う声を聞いて驚いたのです。

その声とは、恐れを引き起こすようなものでも、不快感を抱くようなものでもない、自信と希望を感じさせるものでした。

はっきりとした、そして毅然と命ずるような調子で、威厳を持ったその声は言いました、

「サタン!サタン!

私は聖ミカエル、私はあなたに命ずる。

サタンと他の悪の霊たちよ、Dominus の名によって、

ただちにこの少年の体から出ていけ。

今、今、今すぐに!」

その後、ロビーは悪魔祓いを始めてきた中で、最も激しいひきつけを起こした状態になりました。

そしてついに、再び落ち着いてきた時、彼のベッドを囲んでいる司祭らに口を開いて言いました、

「彼は出ていった」

Dominus(ドミヌス=ラテン語で神)

その後ロビーは、彼が見たものを司祭たちに説明しました。

聖ミカエルが現れ、その姿はとても美しく、流れるようなウェーブのかかった髪はそよ風に吹かれてなびいていて、神々しく輝く、白い光のただ中に立っていました。

「彼の右手には波状の、燃えるような赤い剣を、彼の前に持っていました。そして左手は、地面のくぼ地を指差していました。」

そして彼は、前から流れてくる熱気をどのように感じたか、また、悪魔が笑いながら聖ミカエルに抵抗している様子を説明しました。

次に起こったことが明らかに示すことは、

この霊的な戦場において、突然現れた天使による天罰は、悪魔をはるかに勝っている、と言うことです。

聖ミカエルはロビーの方を向き、微笑んみながら語りかけてきました、

しかしロビーがこのトランス状態の中で聞こえてきた言葉はたった一つ、

それはずっとロビーを苦しめてきたものが誓って、彼はそれを言うことを許さない、と言ってきた言葉、

「Dominus」(ドミヌス=ラテン語で神)だったのです。

このたった一つの言葉によって、

ついにロビーは自由となったのでした。

ついに通常の生活に戻ることができたロビー

ぞっとするような、これらの出来事の後、ロビーはやっと普通の生活に戻りました。

彼は後に結婚し、彼の最初の息子にミカエル(英語ではMichael=マイケル)と名付けました。

それはもちろん、彼が緊急に必要としていた時に救出しに来てくれた、その戦士天使の名前からです。

一方、バウダーン司祭は、聖フランシスコ・ザビエル教会に司祭として、1956年まで留まりました。

その後、彼も日常に戻ったように見えると思われがちですが、現実は違いました。

彼の身内の者たちは言います、

彼が死を迎えた1983年、86歳になるまで、この英雄的な司祭は、この悪魔祓いの一連を耐え抜いたその経験から、精神的にも肉体的にも苦しんでいた、と。

(最終章につづく→)