どの音楽にも必ず、リズムがありますね。これはどんな楽器でも一緒です。リズムがあるから音が生きてきます。

歌にリズムがあるかないか、これは大きな違いを生み出します。

ということで、ここではリズム感に関してふれていきたいと思います。

リズムはからだで感じるもの

歌うときにはもちろん、リズム感は大事です。歌の伴奏で刻まれているリズムに乗っかって、そのリズムの抑揚を感じながら、歌も自然とそのリズムにはまって、歌と伴奏とが一体となって音楽が奏でられている・・それが歌う時の醍醐味でもありますよね。

そのリズムって、どこで感じていると思いますか?

頭で考えて出て来るのがリズムだと思いますか?

違いますよね、リズムはからだで感じ、からだで刻むものです。

歌っている時に、リズムを意識して歌うことってあまりないかもしれません、が、リズムがしっかりからだで刻まれて歌っているのと、そうでないのとでは、歌の安定感が変わってきます。

これも筋肉と同様、やればやるほどからだで覚えていくものなので、ぜひこのリズムもからだに取り入れていきましょう。

 

音楽に合わせてリズムを刻む

まず、何かご自分の好きな音楽で、少しゆったりめのリラックスできる曲を選んで下さい。

立った状態でその曲を聞きながら、まずはからだを左右に揺らしてみましょう。簡単ですね?すでにからだはリズムを感じて動いています。

その次に、今度はどちらか片方の足でリズムを刻みます。つまさきを上げて、下ろして、と音楽に合わせて、足でリズムを刻んで下さい。

それに慣れてきたら、今度は両足で足踏みするようにリズムを刻みます。その時に、音楽から聞こえるリズムと、自分の足のステップがピッタリ一緒になるように意識してみて下さい。音楽のリズムと自分の足できざんでいるステップとに、一体感が感じられるようになるまで続けます。

意識していただきたいのが、足の裏でしっかりと地面を踏みつけているのを感じることです。力はいりません、足裏で地面をぎゅーっと踏みつけ、自分の体重が地面に浸透していくのを感じるつもりで、しっかりと足踏みしてみましょう。その足踏みがリズムの*グルーブを作っていきます。

*このグルーブについては、次の章でしっかりと見ていきますね。

この時、リズムは自然と、4拍子の曲なら4部音符のところにあるはずです。最初は4部音符が感じられるようになる曲を選ぶのをおすすめします。

 

バウンスを加え、さらにリズムを作ってみます

さらに慣れてきたら、そのステップを踏みながら、からだを上下にバウンスさせてみましょう。この上下は8部音符のところになるはずです。

上下をアップ・ダウン、と言い換えると、足を踏んだ時にダウン、アップ、次の足を踏んだ時にダウン、アップ、と一つのステップに2つ、リズムが重なりました。これが、ダウン・ビートです。

それに慣れてきたら、ダウンアップを逆にしてみましょう。ちょっとこんがらがっちゃうかもしれませんが、慣れれば簡単です。

足を踏んだ時にアップを先にしてダウン、次のステップでまたアップしてダウン、これがアップ・ビートですね。

アップダウンをするのに、わからなくなちゃったら、足踏みをやめて、からだの上下だけで、リズムを刻んでみましょう。そのリズムを刻みながら、徐々にステップを踏んでいけば、自然にリズムの感覚がつかめると思います。

ダウン・ビートなのか、アップ・ビートなのか、は、ご自分で曲を聞いてみて、その感じるままにやっていただければ結構です。どれがダウン・ビートで、アップ・ビートなのか、というのは決まってるわけではありません。自分が、その音楽にのりやすいパターンが正解だと思って下さい。

 

大きくリズムを捉える

それと、早いテンポの音楽であればあるほど、大きくリズムを捉える、ということも大事になってきます。リズムが早いと、どうしても歌を合わせるのに焦ってしまって、安定感にかけてしまうものなんですよね。逆にリズムを大きく捉えると歌の安定感が増します。これは、また別の話になってしまうので、そんな捉え方がある、ということだけ頭の隅に置いておいて下さい。

いずれにしても、リズムは頭で考えるとこんがらがっちゃいます、まずは音楽に耳を傾けて、そこで流れているリズムのサイクルに合わせて、ビートをからだで感じてみましょう。

その上でからだを上下にバウンスさせたり、ステップを踏んだりして、自然の流れに任せてみて下さい。まずは、からだでリズムを感じることが大切です。